女性が営業職として転職しようと考える際、スムーズには踏み込めない壁があるように思います。
「営業職は男性が多いイメージがあるから、浮かないかな」
「ノルマとかきつそうだし、自分にできるかな」
このように不安を抱きながら転職活動を進める女性は多いのではないでしょうか。
今回は、約6年間印刷会社の営業職として勤務している女性の私が、営業職の女性について解説します。
経験談も多く盛り込んでいるため、最後までぜひご覧ください。
営業職の女性が多く活躍する業界5選

営業職は、どんな業界でも必ずと言っていいほど存在している職業です。
ただ、営業職には体育会系のイメージを持たれがちです。
そのため「営業職には興味あるけど一歩踏み出しづらい」と感じている女性の方は多いのではないでしょうか。
この章では、営業職として活躍する女性が比較的多い業界を5つご紹介します。
各業界に向いている人を一言でまとめている欄もありますので、ぜひ参考にしてみてください。
人材業界
転職エージェントの人材コンサルタントや求人広告の営業職などとして活躍するケースが多いです。
人材業界は要望や悩みを聞くことが多く、女性には比較的向いている業界であるといえます。
実際には、企業側と求職者側の双方とやりとりをします。
ヒアリング時には以下の内容を引き出し、理解する・提案する能力が求められます。
企業側:採用に関する悩みや求める人材像
求職者側:希望する職種や業界
営業職には「商品を売る」というイメージが強いですが、人材業界ではモノを売りません。
人材業界では、自社のサービスを商材として販売することになります。
こんな方におすすめ:「人に寄り添いたい」という思いが強い方
広告業界
広告を掲載したいと考えている広告主と広告掲載先となるメディアをつなぐ仕事を行います。
当業界の営業職となる場合、主に以下のような仕事を行うことになります。
- 広告の企画・提案
- 広告作成~掲載までのスケジュール管理
- 予算の管理
また「広告」と一言でいっても、種類はさまざまです。
以下に記載している多種多様な広告掲載方法のなかから、営業が最適な掲載方法を選ぶことになります。
- テレビやWebに掲載する広告
- 新聞や雑誌に載せる広告
- イベントやプロモーション
こんな方におすすめ:クリエイティブな仕事をしたい方
保険業界

保険商品(生命保険、死亡保険など)を販売する職業です。
当業界は女性の営業職が比較的多く、同僚に女性ならではの悩みや不安を打ち解けやすい環境で働ける可能性があります。
また、他業界よりも産休・育休や時短勤務制度などの福利厚生が充実していることが多いです。
保険は将来の不安を軽減させるために入るものであるため、顧客に対しては共感力や傾聴力が求められます。
そのため、企業側からも男性より女性の営業職の方が求められやすい傾向にあります。
保険業界は一般的にインセンティブが設けられているため、成果が収入に直結しやすい点も魅力的です。
こんな方におすすめ:子育てと両立しながら仕事も頑張りたい方
不動産業界
顧客に対し、希望に合った住宅・マンション・テナントなどの物件や土地を提案します。
取り扱うものが不動産であるため高収入が望め、昇進を目指しやすい職業でもあります。
不動産の資格も豊富に存在するため、努力次第で活躍の場を広げられるでしょう。
また、暮らしへ密接にかかわる職業でもあるため、女性ならではの視点が大いに役立ちます。
こんな方におすすめ:女性としての特性を活かしながらキャリアアップを目指したい方
美容業界
美容業界の営業といっても、さまざまな職種が存在します。
たとえば、女性をターゲットにした化粧品販売や美容室やエステサロンへの営業などが挙げられます。
美容に興味がある方であれば商材へ深い興味を持ちやすく、楽しんで業務に取り組めるでしょう。
仕事を通じて得た知識によって顧客にあった提案ができるようになると、仕事を楽しみながら昇進も望めます。
製品開発やマーケティングなどの多様なキャリアパスも存在します。
また、ブランドの立ち上げや外資系企業への転職など、キャリアパスの幅広さもこの業界の魅力です。
こんな方におすすめ:美容の知識を深めながら仕事を頑張りたい人
営業職として活かせる女性ならではの強み

女性の営業職は、男性の営業職にはない強みがあります。
この章では、女性の営業職ならではの強みを3点ご紹介します。
営業職への転職をお考えの方は、以下の強みをぜひ自己PRに盛り込んでみてください。
印象に残りやすい
2023年版労働力調査によると、営業職に就いている方の男女比率は4:1でした。
より具体的にいうと「営業職業従事者」と呼ばれる職業に就く人数は、全体で313万人。
そのなかで男性は249万人、女性は64万人という数字です。
営業職である男性の半数にも満たないほど、営業職に就いている女性は男性に比べると少ないのです。
取引先の担当が女性の営業職であれば、それだけで顔と名前を覚えてもらいやすくなります。
私も6年ほど営業職として勤めてきましたが、数え切れないほど「女性の営業職って珍しいですね」といわれてきました。
「会社の顔」となるのが営業職なため、印象に残りやすいという点はとても大きな強みとなります。
強い共感性
女性は「男性よりも共感性が高い」といわれるのが一般的です。
そのため、より顧客の悩みに寄り添う力があり、求められていることを把握する能力に長けています。
「営業職の女性が多く活躍する業界5選」の章でもお伝えしたように、営業職はどの業界でもヒアリングや提案を行うシチュエーションがあります。
ヒアリングにて顧客の悩みや要望を引き出し、その悩みや要望をもとに提案することが必要です。
提案の精度を上げるには、顧客のお話をいかに反映できているかが要となります。
顧客のお話を理解するためにも、女性の持つ強い共感性が活かされます。
女性ならではの視点を活かせる

業界によりますが、女性ならではの視点を仕事で活かせる場合があります。
とくに美容業界やファッション業界では、女性的な視点がより役立ちます。
たとえば、子育てを経験している女性であれば、赤ちゃんや妊婦の方を対象にした事業における提案時に経験を大いに活かせるはずです。
自分が持っているセンスや経験をより活かしたいとお考えの方は、業界選びにより注力しましょう。
個人的に営業職をやっていてよかったと思うこと

前述したとおり、私は現在印刷会社の営業職として約6年勤務しています。
この6年を通じて「営業職でよかった」と思ったことを3点ピックアップしました。
とくに磨きたいスキルが以下の3点いずれかに該当する方は、ぜひ営業職への転職をおすすめします。
コミュニケーション能力が身に付く
営業職はほかの職種よりも、とくにコミュニケーションをとる機会が多いです。
そのため、コミュニケーションの回数を重ねるうちに、相手が求めていることをより早く理解できるようになりました。
コミュニケーションをとることが、営業職のメインとなる仕事といっても過言ではありません。
仕事を円滑に進めるために、顧客・社内の人間とこまめにコミュニケーションをとっています。
【コミュニケーションの内容】
顧客→要望のヒアリング、進捗の連絡、クレーム対応など
社内→必要な所要時間のヒアリング、仕様の説明、対応可能かどうかの確認など
私は印刷会社の営業職であるため、顧客の要望を100%に近い状態で納品できるように社内の人間を動かすことが主な仕事です。
ただ、社内の人間に大きな負担を強いることはしたくありません。
そのため、常に意識しているのは顧客側・社内側の両方がWin-Winになることです。
顧客側・社内側の双方が気持ちよく仕事ができるようになるためには、コミュニケーションが欠かせません。
自分の裁量で仕事ができる
ほかの職種に比べて、営業職は自分で仕事をコントロールしやすい職業であると考えています。
そのため、少しコンディションが悪いときや急用で仕事を休みにしてしまった日でもあとで調整が効きやすいです。
もちろん、顧客やほかの部署へ迷惑をかけないように努める必要はあります。
しかし、その日の状況で仕事を調整できることは働きやすさにもつながるように思います。
会社にもよりますが、自分にある程度の裁量権が与えられる仕事に就きたいとお考えの方には営業職はおすすめの職種です。
目標意識が鍛えられる

営業職には、毎月の売上目標(ノルマ)が与えられます。
その目標を達成するために行動計画を立て、数字と照らし合わせる日々です。
ゆえに、日々の仕事を通じて目標意識が鍛えられます。
目標を達成できない月もありますが、達成できたときの喜びはひとしおです。
また、目標意識が鍛えられると、プライベートでもその能力を活かせます。
私の場合、ダイエットで5㎏痩せようと決意した半年後に無事目標を達成できました。
ダイエットに成功できたのは、日々の仕事で鍛えられている目標意識のおかげだと思っています。
個人的に営業職をやっていて大変だと思うこと

営業職には、大変な面もあります。
数多くあるわけではありませんが、いままでの仕事を通じてとくに以下の2点で苦悩した印象があります。
営業職に就いたことがない方でもなんとなくイメージができるような内容になっているでしょう。
しかし、この2点にうまく対応できるようになると、優秀な営業マンになれるはずです。
常にノルマに対するプレッシャーがある
営業職にノルマは付きものですが、やはり「ノルマを達成しなければならない」というプレッシャーは常に抱えています。
達成できそうにないときは落ち込み、社内の人たちにも申し訳ない気持ちがこみ上げてきます。
ノルマを達成できたときの喜びは大きい半面、達成できなかったときはどうしてもネガティブ思考に陥りがちです。
あまりプレッシャーを感じずに働きたいとお考えの方には、営業職は向いていないかもしれません。
クレーム対応をしなければならない
頻繁ではありませんが、時折クレームを受ける場合があります。
その際は、営業担当が会社を代表して顧客へ謝罪することになります。
ほかの部署でミスがあっても、謝罪をするのは営業担当です。
理不尽に思うこともありますが、立場上仕方ない面もあるためやり場のないフラストレーションが溜まることもしばしば。
こういうときはプライベートでストレスを発散し、うまく気分をコントロールすることに徹します。
ある程度気持ちのコントロールができると、矢面に立つ営業職としての立場でもなんとか乗り越えられます。
まとめ

今回は、営業職として働く女性について解説しました。
女性が営業職として働く業界は多く存在するため、男女比が気になる方はまず業界選びから始めましょう。
また、営業職はほかの職種よりコミュニケーションをとる機会がとくに多い職業です。
ビジネス上でも人と話すことが好きな方には、営業職をおすすめします。
しかし、仕事をする際は黙々と作業したい方にはあまり向いている職業とはいえません。
仕事は、自分の適性と照らし合わせる必要があります。
そのため、各会社で働くイメージができるように、求人内容の確認や面接時に不明点をなるべく無くす努力をしましょう。